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2020年7月1日(水)~8月31日(月)の期間に公募を行った結果、○○件のご応募がありました。一般投票と審査結果によって選出された動画には表彰等ございますので、個社ページよりご投票をお願いいたします。
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静岡商工会議所 Sing 今月のコラム
Sing2025年3月号

職場の簡単メンタルヘルス
「クレーム対応の秘訣」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
どのような職場であっても、さまざまなトラブルやクレームに見舞われることがあると思います。その対応や処理で心身が疲弊してしまうことも少なくありません。今回は、クレーム被害を最小限に抑える方法をお伝えします。
クレームを訴える行為には、それに伴う感情が必ず存在します。意見、要求などに付随する「怒り」が原動力となることが多いですが、そもそも「怒り」は根本にある1次感情から派生した2次感情です。1次感情は、「悲しい」や「悔しい」などのつらさであったり、「心配」や「不安」といった困り事であったりします。
例えば、家族が約束の時間に連絡してこないという時に「心配になる」のが1次感情で、心配しながら待っていて、やっと連絡があった時に「怒ってしまう」のが2次感情です。本来の心配という感情が、怒りに転じるのです。クレームの際、この表面上に現れる「怒り」を収めようとしがちですが、実は、根底にある「心配した」気持ちを受け取らなければ収まりません。表面上の怒りではなく、奥に潜む本来の感情にアプローチすることが大切です。
そこで必要なのが、1次感情を知ることですが、そのためには、相手に話をしてもらうことが必要です。その際、傾聴スキルが役に立ちます。
基本は、相手に分かるように、はっきりと深くうなずき、言葉で相づちを打つことによって聞く態勢があると示すこと、そして、相手の訴えを言葉で受け止めて、理解したと言葉で伝えることが重要です。単純なことですが、これがとても大切です。
謝罪の言葉や説明も大事ですが、クレームを言ってきた側は、申し出た気持ちや思いをきちんと齟齬(そご)なく受け止めてもらうことを望んでいるケースが多く、その気持ちに対しての理解を示すことができれば、安心感と納得感につながります。気持ちが受け止められたかどうかが、それ以降の状況に大きな影響を及ぼすので、まずは、相手の気持ちに寄り添う対応に徹してください。
しかし、それでも収まらないことがあるかと思います。「誠意を見せろ」など、何に対してどのようなことを求めているのか具体的に分からない、無理な要求を強いてくる、また、暴言や暴力により話し合いにならない場合は、脅迫などの違法行為に当たります。警察への通報を速やかに行うことも含め、毅然(きぜん)とした態度で対応することも必要です。
Sing2025年2月号

職場の簡単メンタルヘルス
「新しい年の目標の立て方」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
新しい年を迎え、「今年こそ!」と前向きな気持ちで目標を立てている人も多いと思います。思い描いたことをぜひ実現したいですよね。そのためにはモチベーションを持続させることが大切です。
そこで、少し記憶をさかのぼっていただきたいのですが、昨年の年頭の抱負は何でしたか。それを達成できましたか。もし、残念な結果となり、今年こそと思われているなら、少し目標の修正が必要かもしれません。まずはできなかったことを踏まえて、現時点での状況を書き出してみましょう。
例えば、「部屋の整理整頓ができない」「資格試験の勉強ができない」のような感じです。書き出したら、文末の「できない」を「しない」に変えてみます。「部屋の整理整頓をしない」となります。それを見てどう感じたでしょうか。できないのではなく、しなかっただけです。行動に移さなかった、もしくは続かなかったのは自分の意思でもあるのです。
「ま、いいか」と思ったり、考えるだけで面倒になってしまったりしたのかもしれません。つまりそれは、その目標があなた自身の中で優先順位の低いものだったことになります。それをあえてまた目標に掲げるのではなく、切り捨ててしまうことをお勧めします。「いや、そんなことできない」と、反発心が芽生えるなら、試しにそれに関することを今すぐに始めてみましょう。「でも、時間が。お金が」と、行動に移せない理由を考えてしまうようなら、その目標はおそらく今年も達成できません。
しかし、小さな目標であれば、負担も少なく取り掛かれます。例えば、資格試験の問題集を週末に3時間解くよりも、毎日3問という目標が良いのです。「たった3問だなんて」と思うかもしれません。でも、「週末3時間できなかった」と思うたびにモチベーションが下がり、続けられなくなる可能性が高いです。一方、「毎日3問取り組めた」という達成感はモチベーションを高めていきます。そして、日数がたてばたつほど、その差は開きます。1年後には1000問を突破できるからです。
目標を達成するためには、すぐ簡単にできるところから始め、持続させることが成功の秘訣(ひけつ)です。達成感はモチベーションに変換され、好循環を生みます。自分にとって簡単にできて、ハードルの低いところから、今すぐに開始しましょう。
Sing2024年12月号

職場の簡単メンタルヘルス
「ハラスメントになりやすいNGワード」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
ハラスメントにならないようにと言動には気を付けているという人も、無意識のうちに行為者になっていることがあります。思わず使ってしまいがちなNGワードを、今回はご紹介します。
■NGワード1:「とりあえず見ていればいいから」「やりながら覚えて」
部下に対して、思いやりのつもりで使っていませんか。また、「仕事は見て、真似(まね)て身に付けていくもの」といった信条を持っている人は、部下とのすれ違いを生みやすい傾向にあります。実際「今は見ていればいいから」と、あえて部下に指示を出さずにいた上司が、新入社員から「何も教えてもらえず、やることもなく精神的な居場所もなくて、とても苦痛だった」と指導怠慢で訴えられたケースがあります。新人指導を行う場合は、スモールステップで具体的に少しずつ業務のノウハウを教えていくことが大事です。
■NGワード2:「何でも相談して」「そのくらい自分で考えて」
部下の信頼を一気に下げてしまう「ダブルバインド(二重拘束)」に気を付けましょう。ダブルバインドとは、二つの矛盾したメッセージを同時に伝えてしまうことです。相手は混乱して心理的なストレスを感じます。例えば部下に、「何でも相談して」と言っておきながら、実際に相談されると「今は忙しいから後にして」と軽くあしらったり、「それくらいのことは自分で考えて」と突き放したりする。これらは、相手を振り回すことでマインドコントロールを行う「モラルハラスメント(モラハラ)」に抵触する行為にもなり得ます。指導的立場にある人は、自分がダブルバインドで部下と関わっていないかを意識してください。
■NGワード3:「なぜこうなったの?」
使うタイミングによって「なぜ?」は、「デンジャラス・クエスチョン」といわれる"相手を追い詰める言葉"になります。例えば、不測の事態が起こったときの「なぜ?」がそうです。計画通りにいかないトラブルが"不測の事態"です。従って、「なぜ?」と問われても即座に答えようがありません。それにもかかわらず、つい口を突いて出てしまう"上司のなぜ"。これは部下を不快な思いにさせるばかりでなく、反発心を刺激します。「なぜ?」の多い上司は「問題解決思考」といえますが、「追及」「脅迫」「叱責(しっせき)」と解釈される危険性もあります。もちろん原因究明が必要なこともありますが、そこで部下を追い詰めないようにしましょう。
Sing2024年11月号

職場の簡単メンタルヘルス
「電話の良さを見直そう」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
いつの頃からか、「電話はオワコン(終わったコンテンツ)」といわれるようになりました。マルチタスクに追われ、人手も少なく余裕がない状況で、お互いが時間を合わせなければ用をなさないツールを排除する方向に向かうのはある意味自然です。いつでも気兼ねなく送れて、相手も自分のタイミングで開封できるメールが台頭しているのですから、なおさらです。
「相手の時間を奪う」と揶揄(やゆ)される電話ですが、果たしてそうでしょうか。実は、メールのやりとりにこそ膨大な時間がかかっていることを見逃してはなりません。一日の業務の半分は、メールの返信に明け暮れているという話もよく聞きます。また、電話は文字だけでは伝えきれないニュアンスを共有するためには必要なツールです。特に、相手との行き違いがあったときには、何度も文字でやりとりするよりも、電話をかけて確認することであっさりと誤解が解けることがあります。
さらに、文字ツールと比べて伝え合う情報量が圧倒的に多いというメリットもあります。一般的にスピーチ原稿は、1分間に約300文字を目安に作成するといわれています。それを基に考えると、数分間のやりとりで数千字の情報を伝え合えることになります。通常はそのような長いメッセージを送ることはありません。これだけ考えても情報量の差を感じていただけるのではないでしょうか。
電話番号を大々的に不特定多数に開示するのは、理不尽なクレームや勧誘などに使われることにつながるなど、リスクが高くなります。しかし、交流がある人や取引先との電話の利用はむしろ、大量の情報を伝え合うことができるため、メリットの方が大きいと思います。基本的に、就業時間内(フリーランスであれば、あらかじめやりとりできる時間帯を共有しておくと良い)であれば、いつ電話をかけてもマナー違反になることはありませんし、手が離せないときは相手が出ないはずですので、そこまで気を使う必要はありません。ただ、電話は緊急時に使用するツールといった認識も強いことから、留守電になったら、一言用件を残しておく配慮ができると良いですね。
若い世代を中心に、電話を敬遠する傾向にあると思いますが、コミュニケーションツールの一つとしてのスキルは、社内教育をしてでも残しておくことが大切です。
Sing2024年10月号

職場の簡単メンタルヘルス
「部下の声に寄り添う」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
部下との関係性を良くしたいと、良かれと思ってやっていることが、実は関係を悪くしているケースがあります。部下の声をしっかり受け止めたいと思えば思うほど、空回りしてしまうなどという現場の声も多く聞かれます。
例えば、部下から「こんなことがあって本当に困りました」という話を聞いたとします。その気持ちに寄り添うつもりで、即座に「分かる」と言ってしまうことはないでしょうか。このような反応が相手を理解する適切な対応と捉えてしまう人が多いのも事実です。しかし、それは相手の気持ちではなく、相手の話を聞いたときの「自分の気持ち」を示したものにほかなりません。
自分の経験と、相手の話の内容が「同じような場面や状況」と合致したときに「分かる」と表現するわけです。しかし、「同じような」体験や出来事であっても、完全に「同じ」ということはなく、それと同様に相手と100%「同じ気持ち」には決してなりません。その人その人が出合うことやそのとき感じる気持ちは、一つとして「同じ」ものは存在しないのです。それにもかかわらず、いかにも全てを悟ったように「分かる」という表現を使うことは、「分かったような」錯覚に陥ることを指します。
相手との信頼関係が希薄な場合は、「本当に分かっているのか?」と不信感を抱かれることにつながり逆効果になりますし、反対に正確な内容をやりとりしていないにもかかわらず、お互い「分かったような感覚」になってしまうのも問題です。本当の理解が進まないと、根底のところで平行線をたどってしまいます。すると、「あれ、分かってもらえていなかった」と、どこかで相手との関係性に破綻が生じます。そうすると、きちんと向き合ってもらえていなかったという不満から、反発心が生まれやすくなります。
ですから、職場で安易に「分かる」という言葉を使わないことが大切です。「どんな状況だったのか」と、相手の話を促すような言葉掛けでよく事情を聞き、具体的な対応を伝えることが、本当の意味で相手の声に寄り添うことにつながります。
Sing2024年9月号

職場の簡単メンタルヘルス
「Z世代の指導法」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
Z世代という言葉を耳にすることも多いと思います。年齢は明確に定義されていませんが、「1990年半ばから2010年代生まれの世代」を指すことが一般的で、職場にいる30歳くらいまでの若手がこれに該当します。
この年代の特徴はいくつかあると思いますが、職場で問題になるのは「Z世代に対する叱り方や指導方法」ではないでしょうか。該当の年代は学校や家庭で強く怒られたり、何かを強いられたりするというようなことには慣れていません。それ故に業務上のミスなどをどのように注意したらよいか分からないという相談をよく受けます。実際にこの年代の子を持つ管理者も少なくありませんが、自分の子どもに対して「叱る」という経験があまりないという人も多く、強く伝えることで必要以上にへこませてしまうのではと危惧したり、さらには離職につながっては大変だと、言いたいことを言えなかったりするということもあるようです。
しかし、危険を伴う業務や作業をする場面では、仕事上伝えなければならないことを躊躇(ちゅうちょ)する必要はありません。ダメなものはダメと伝えることが大切です。その場合でも、やみくもに注意するのではなく、なぜダメなのかという理由を具体的に説明することが重要です。「常識だから」「そう決まっている」などという理由では、単なる嫌がらせと捉えられてしまっても仕方ありません。また、取引先とのやりとりで、こちらの都合だけでなく、相手の都合で急に方針が変わることもあります。そんな折は自分にも余裕がないため、なぜ変更になったのかと問われたときに「あれこれ言わずに」と相手をけん制してしまいがちです。指示の変更はあり得ることなので、明確な理由をひと言添えることが大切です。
実際に、若い世代からの声を聞くと「もっと指摘してほしい」「ダメなら注意してほしい」という、成長につながる声掛けを欲していることを感じます。遠慮して言わないと部下は「成長が見込めないと思われている」「期待されていない」「ここでは成長できない」とネガティブに捉えてしまうのです。
言うべきことは、はっきりと具体的な理由を明示することで、こちらの意向や真意を受け取ってもらいやすくなります。ぜひ、遠慮せずに言いたいことを伝えていきましょう。
Sing2024年8月号

職場の簡単メンタルヘルス
「夏季うつを予防する三つのコツ」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
昨今、酷暑が続いており、これからの季節は暑さとの闘いになることは必至です。夏や冬に不調を引き起こす、季節性うつというものがあります。今回は、夏季うつを取り上げます。うつになると、食欲不振や睡眠の質の低下、やる気のなさなどが表れますが、原因のない不安感が強いのが夏季うつの特徴です。 刺激と変化によるストレス要因のことを「ストレッサー」といいます。夏場の主なストレッサーの一つに、日差しが挙げられます。強い日差しは刺激が強く、それだけで大きなストレッサーとなります。それを避けるために、日傘、帽子、サングラスなどを使用しましょう。日中、事務所にずっといるので昼休憩の時くらい外へ出ようという気持ちは分かりますが、ちょうど太陽が一番高く日差しの強い時間帯でもあるので、ある程度遮光することが大切です。飲食店などでも太陽の高い時間帯は窓際を避けることも予防になります。オフィスでも強い光が差し込まないように、シェードやカーテンなどで遮光をするのもお勧めです。明る過ぎないように工夫しましょう。 また、体温よりも高いのではないかと思われる温度になる屋外と、寒いほどクーラーの効いた室内の温度差が激しく、そこを行き来することにより身体に大きな負担がかかります。特に、それを一日何度も繰り返す人は要注意です。室内では羽織るものを用意する、屋外では可能な限り遮光し、携帯用ファンや首元につけるクールリングなどを適宜使用するなど、身体への負荷を減らすことが大切です。 そして最後に、栄養にも気を配りましょう。脱水症を気にしてたくさん水分を取ることは良いのですが、それでおなかが膨れて十分な食事量を取れないということが起こります。気持ちのコントロールに影響する、セロトニンの元となるトリプトファンの摂取不足は、身体の不調を引き起こします。大豆製品、乳製品をはじめ、バナナやアボカド、カツオなどにはトリプトファンが多く含まれているので、冷ややっこにかつお節をかける、コーヒーはブラックではなくカフェオレや豆乳ラテにするなど、ちょっとした工夫をしていただければと思います。 暑い季節ならではの予防策を講じて、心身ともに健康に夏を乗り切りましょう。
Sing2024年7月号

職場の簡単メンタルヘルス
「ネガティブ感情は敵視しないで受け入れる」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
ネガティブ感情は良くないものとして、できるだけ排除しようとしていないでしょうか。つらいときでも、「ネガティブにならず、できるだけポジティブにいこう!」と鼓舞することもあると思います。しかし、逆効果になる場合が多いのです。ネガティブな感情を無理やりポジティブに変えようとしたり、無視したりすると、いつまでも自分の気持ちに向き合えず、自己コントロールがうまくいかなくなるからです。
誰でも生きていれば、嫌なことがあったり、何らかの悩みを抱えたりするのは当然のこと。それが自然です。最近の傾向として、憂鬱(ゆううつ)や不安などのネガティブな感情を持つことは良くないこと、さらには、「病気」と捉える風潮があるように強く感じます。しかし、そんなことは決してありません。喜怒哀楽の感情は、どれも大切な気持ちであり、どれかが欠けるとバランスを崩すことにつながってしまいます。無理やりポジティブな自分を演じてしまうと、本来の自分の気持ちとのギャップに苦しむことになるのです。本当のポジティブ思考とは、ネガティブな気持ちを無理やりポジティブにしようというものではないのです。
それでは、嫌な気持ちから自分を解放するにはどうしたら良いのでしょう? ここでは、簡単な方法を一つお伝えしたいと思います。嫌な気分にどっぷり浸ることです。「こんなことを考えては駄目だ」と、嫌なことを忘れよう、考えないようにしようと思えば思うほど、反対にその感情にとらわれてしまう傾向があります。そこで、無理して考えないように頑張るのではなく、あえてその傷をじっと見つめる。それこそが、回復を早めるポイントです。
具体的な方法としては、自分のネガティブな気持ちを紙やスマホメモに書き出してみるのが良いでしょう。大切なのは、湧き上がってくる感情にただ素直に向き合うということです。無視をしたり、追い出そうとしたりせずに、「つらいな」「悲しいな」「苦しいな」というあなたの気持ちにそっと寄り添うだけ。無理やり分析をしたり、乗り越えたりする必要もありません。
ネガティブ感情にじっと向き合ってみると、つらさや悲しみを手放せるまでの時間が徐々に短くなってくる感覚を得られるはずです。
Sing2024年6月号

職場の簡単メンタルヘルス
「新しい環境下で気を付けたいストレス」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
新たな関係性を築いたり、情報を収集したりするときには、常に緊張感が伴います。緊張状態が長く続くと、弛緩(しかん)が難しくなり疲れをため込みやすくなります。心身の疲労が知らないうちにたまっていくと、ケアをすることさえも忘れがちになるので、そうならないために意識的にリフレッシュすることが大切です。心身の調子が良いときもあれば、悪いときもあります。だからこそ、無理のない働き方をしていくためにも心の健康に目を向けたいですね。
このようなことがあったら要注意です。以下、いくつ当てはまるでしょうか。
・家を出た後に、玄関の鍵を閉めたかどうか気になり戻る
・就寝のために横になった後に仕事のことが気になり、書類のチェックなどのために起き上がることがある
・食べ過ぎ、飲み過ぎでもないのに、胃腸の調子が悪い
・寝つきが悪い、何度も夜中に目覚めてしまう、眠りが浅い
・普段は気にならない些細(ささい)なことでイライラしてしまう
・休んでも、なかなか疲れが取れない
上記のような、普段とは違う状態が一つでも当てはまれば、ストレスがたまり始めているサインです。ストレスは、体温や血圧のように簡易に数値化することができません。よって、明確な自覚を促す手段がなく、見逃してしまいやすいので、チェック項目を参考にしてください。そして、当てはまるものがあれば、積極的にストレスケアを取り入れてください。
ストレスケアで手っ取り早いのは、食べる・飲む・眠ることかと思います。それらを意識して取り入れることが大切です。酔っぱらうとか、お腹をいっぱいにするのではなく、好みのお酒を探したり、好きなものをおいしくいただいたりするなど、楽しむことを意識しましょう。食べ物は、手軽に買えるものでもいいですが、料理をすることは五感をフル活用する行為なので、心身のリフレッシュには効果的です。順序を考えながら手を使うことで、感覚的なものから嗅覚、味覚までを刺激するので、良い気分転換となります。今は簡単にできるミールキットなども豊富にありますので、気分と時間に合わせて取り入れると良いでしょう。体と心は連動しているので、眠る前にぬるめのお風呂に入る、軽くストレッチするなども有効です。普段の生活の中で手軽にできるケアを意識して取り入れ、ストレスがたまり過ぎないうちに解消してください。
Sing2024年5月号

職場の簡単メンタルヘルス
「メールでのクレームへの対処法」
日本メンタルアップ支援機構
代表理事
大野 萌子 氏
メールなどを通じて、クレームが入ることが多くなっていると思います。このように、相手とのやりとりがマイナススタートとなる場合は、さらなる火種をつくらないよう慎重に対応しなくてはなりません。そのためには、こちらの意向を理解してもらえるよう「相手の気持ちを意識した文面」「分かりやすく受け止めやすい表現」にする必要があります。そのポイントについてお伝えします。
不備やトラブルがあった場合は、事実関係の確認や説明も重要なのですが、まずは相手が訴える主感情を見極めることが大切です。事実よりも先に、相手の感情にフォーカスすることです。例えば、「不信感」「怒り」「不安」「焦り」などの気持ちを見極めて、緩和する方法はただ一つ。「受け止めること」です。
「どういうつもりですか?!」というような怒りのこもった質問形式のメールに関しては、問いに真摯(しんし)に答えようとすればするほど「そんなつもりではない」と、こちらの言い分を並べてしまいがちです。しかし、それでは逆効果です。相手は、こちらの思いや都合などに関心はありません。答えて良いのは、例えば手続きの方法など、事実の問い合わせに対してのみです。単なる「確認事項」や「方法」といった内容であれば、速やかに答えてください。しかし、姿勢や思いなどに関する問いには、「答える」のではなく「応える」ことが大切です。相手が伝えてきた内容を、そのままのフレーズを使って受け止める表現が必要です。訴えている気持ちが受け止められたか否かが、それ以降の状況に大きな影響を及ぼします。
その上で、なぜそのような状況になったのかを伝えることも必要なのですが、人は相手からの言い訳を拒否する傾向があります。言い訳は、マイナスイメージで捉えられやすく、責任転嫁していると認識されやすいからです。言い訳と捉えられないようにするためには、「○○と思っていた」などの感情論をできるだけ避けることです。事実を先行させ、簡潔に伝えることを心掛けましょう。事実を伝えることは説明することであり、「実際に何が起きたのか」を知りたい欲求に応えることになります。
ただし要領を得ないと、原因も分からず謝罪しているのかと、さらに怒りを買う場合がありますので、トラブルの原因をあやふやにせず、不手際や失敗など、ミスの原因を端的に伝えましょう。その結果、相手に受け入れられやすくなり、さらなるクレームを避けることにつながるのです。
静岡商工会議所 企画広報室